ネイリストは資格なし・未経験からでもなれる?
資格なしのネイリストの収入はどのくらい?
ネイリストの資格って、取得したほうがいいの?
若い女性に人気の仕事である、ネイリスト。資格なしでも働くことはできる?と疑問に感じている人も多いですよね。
この記事では、資格なし・未経験からネイリストになることができるのかをはじめ、無資格のネイリストの仕事内容や収入目安を解説しています。
最後まで読むことで、資格なしでネイリストになる方法がわかるでしょう。
資格なしのネイリストのメリット・デメリットも参考に、未経験から一流のネイリストを目指しましょう!
※2024年3月の情報です。
※収入や仕事内容はネイルサロンによって異なります。
【結論】ネイリストは資格なし・未経験でもなれる
結論からいうと、ネイリストは資格なしでもなれます。
なぜなら、日本国内では、ネイリストになるための国家資格や免許は存在しないからです。
技術を身につければ、無資格でも活躍できるのがネイリストの仕事です。
ちなみに、美容関連の仕事に関する資格の要・不要は以下のようになっています。
- ネイリスト…不要
- エステティシャン(脱毛を含む全般)…不要
- マッサージ師…不要
- アイリスト…いる
- 鍼灸師(はり・灸)…いる
- 美容師…いる
ネイリストの資格に近いものとして、いくつかの技能検定はあります。
しかし、必ずしも取得しなければならないものではないため、先に就職して技術を身につけながら資格取得の勉強をするネイリストが多いようです。
資格なし・未経験のネイリストができる仕事
資格なし・未経験からスタートするネイリストの仕事を、以下の4つに分けて解説します。
入社後数カ月は研修期間
資格なし・未経験のネイリストは、入社後の数カ月間を研修生として過ごします。雇用形態は正社員でも、試用期間となるケースが多いでしょう。
ネイルサロンで実際に勤務をしながら、ネイリストとして必要な技術を習得します。
研修はおもに閉店後におこなわれ、基本のネイルケアやハンドケア、割れた爪の補修方法などを勉強することになります。
ネイルスクールとは違い、勉強中も収入が発生するところが大きなメリットといえるでしょう。
接客とアシスタント業務がメイン
資格なし・未経験のネイリストは、サロンを訪れる顧客への接客や施術のアシスタント的業務がメインとなります。
具体的には、以下のとおりです。
- 予約来店にそなえた準備
- 来客を迎えてブースに案内
- ドリンクなどのサービス
- 施術中のサポート
- 後片付け
このような作業は、通常はスタッフ全員が分担しますが、資格なしの見習いネイリストが担当するケースが多くなります。
すべてが必要な勉強となるため、ひとつずつしっかりこなしていくことが大事です。
フロント受付業務
電話応対、予約受付といったフロント業務も、資格なしの新人ネイリストが任せられることが多い仕事です。
近年では、ホットペッパーBEAUTYなどのポータルサイト経由やSNS経由で予約を取るサロンも増えているため、予約受付・管理の方法は早い段階で覚えなければならないことのひとつです。
専用システムからの予約でも、変更やキャンセルは電話で依頼されることも多いでしょう。
ネイルサロンでは、顧客担当のネイリストが会計やお見送りまでをすることが一般的ですが、独り立ちにそなえて一連の流れはしっかり見て覚えておくことが大切です。
掃除や備品補充などの雑務
店舗運営に関わる全般業務も、資格なしで入ったネイリストにとって重要な仕事です。
具体的には、以下のとおりです。
- 店舗の掃除や消毒
- 道具の洗浄
- ネイルブースの備品・消耗品の確認
- 消耗品の補充や発注
- サービス用のドリンクや試供品等の補充
上記は、いわゆる「雑用」ですが店舗を運営していくにあたり、なくてはならない作業です。
備品や消耗品を扱いながら吸収できる知識もあるので、すべて勉強のひとつととらえ、積極的に関わっていきましょう。
資格なし・未経験のネイリストの収入目安
資格なし・未経験からスタートするネイリストの収入目安や給与のポイントを、3つに分けて解説します。
正社員で月給20万円前後が多数
資格なしのネイリストの収入目安は、正社員で月給20万円前後です。年収にすると240万円で、これは決して高い数字とはいえません。
また、ネイリストをはじめとした美容関連の仕事は、地域によって収入に差が出るところが特徴です。
そのため、首都圏や都心部では資格なしでも月給20万~23万円からスタートするケースが多く、地方都市は月給20万円以下がほとんどとなります。
居住地や年齢にもよりますが、ひとりで生計を立てていくには、少しこころもとない金額といえるでしょう。
研修期間中は時給扱いもあり
資格なしで入社したネイリストの研修期間中は、給与を時給で支払われるケースが一般的です。
平均時給は、地域にもよりますが最低賃金~1,300円あたりが多いでしょう。
ネイルサロンはシフト制となるため、研修中でも出勤日数が多く時間が長いほど収入は増えます。
基礎知識や施術を学ぶのは営業時間外になりますが、その時間に時給が発生するかどうかは、ネイルサロンによって異なります。
試用期間中は各種手当がつかない
研修中のネイリストは、基本的に試用期間となります。そのため、インセンティブをはじめとした各種手当は発生しません。
保険・年金等の手続きはしてもらえますが、その他福利厚生は、あっても交通費程度と思っておいたほうが良いでしょう。
試用期間が終わり正規契約となった後は、資格なしでも一人前のネイリストとして扱ってもらえます。
指名やコスメ販売などの売り上げにともなうインセンティブ、各種手当の詳細は契約時に必ず確認しましょう。
資格なし・未経験のネイリストが研修で学ぶこと
資格なし・未経験のネイリストが研修中に学ぶのは、おもに7つあります。
爪の基礎知識や衛生について(座学)
資格なしのネイリストがまず学ぶことは、爪の構造などの基礎知識、爪や皮膚の病気と症状、そして衛生についてです。
座学となるため、苦手な人もいるかもしれませんが、基礎知識を知っておかなければ重大なトラブルに発展するリスクもあるため、おろそかにしてはいけません。
また、ネイルポリッシュ(マニキュア)の役割や成分といった専門知識、各種道具の使い方なども勉強していきます。
基本のネイルケアとカラーリング
基本のネイルケアは、既に塗ってあるカラーの除去から爪周りのお手入れ、新しくカラーを塗るまでがひとつの作業となります。
爪に色を塗るだけではなく、爪の長さを整える作業やキューティクル(甘皮)のカットなども含まれます。
一連の作業を約1時間で完了させることを目指し、手順を身につけたあとはひたすら練習することになります。
作業自体は非常にシンプルなので、資格なし・未経験からでも比較的すぐに覚えられるでしょう。
ハンドケア
ハンドケアは、手のマッサージやツボ押し、爪周りのスキンケアなどがおもな作業です。
専用のフィンガーボウルを使っておこない、サロンによっては手首までが範囲になります。
ハンドケアのみのメニューがあるネイルサロンは少なく、ほとんどの場合、基本のネイルケアに含まれるでしょう。
フットネイル・ケア
フットネイルとケアは、初夏から初秋にかけて人気の出るメニューです。
基本のネイルケア同様、既に塗ってあるカラーの除去から新しくカラーを塗るところまでをおこないますが、フットネイルの場合は他にも以下の作業が含まれます。
- 足裏やかかとの角質除去
- ひざ下のマッサージ
- ツボ押し
顧客の脚を持ち上げたり支えたりする必要があるため、フットケアは体力勝負です。
一連の作業に1時間半~2時間かかります。
夏場にフットケアの施術が続く場合は、資格なし・未経験ネイリストにとってかなりきついと感じるかもしれません。
ネイルリペア
ネイルリペアは、爪の修復・補強のことをいいます。爪が割れてしまった、またはチップやジェルが浮いてしまったときに、おこなう施術です。
資格なしのネイリストが身につけるリペアの方法は、おもに以下のふたつです。
- シルクラップ
- ビルダージェル
シルクラップは専用の薄いシルクをかぶせる方法、ビルダージェルは専用のジェルを塗る方法です。
上記の他、アクリルリキッドとパウダーを使用するリペアもありますが、資格なし・未経験の初心者には難しいため、少しずつ身につけていくことになるでしょう。
ネイルチップ・ラップ
ネイルチップは、いわゆる「付け爪」です。
爪とチップを専用のネイルグルーで貼り合わせ、はがれないよう上からコーティングする施術となります。
爪の成長にともなってチップもずれてくるため、リペアの方法やチップオフの方法もあわせて教わります。
付け爪の方法には、アクリルリキッドとパウダーのみで長さを出す「スカルプチュア」もありますが、これは上級者ネイリストでなければ難しいため、基本の研修ではおこなわれないことが多いです。
基本のジェルネイル
近年、需要が伸びているのがジェルネイルです。
専用の硬化ジェルでアートをほどこしたり、ラインストーンでデコレーションしたりするのがおもな施術です。ネイリストを目指す人にとって、もっともあこがれる作業かもしれません。
ただし、綺麗なジェルネイルをほどこすためにはリペアやオフの技術が重要となります。
単調な作業のほうが多いですが、華やかなジェルネイルを完成させる達成感を目指して頑張りましょう。
資格なしでネイルサロンに就職するデメリット
資格なし・未経験でネイルサロンに就職するデメリットは、以下の5つです。
収入が低い
資格なしのネイリストは、有資格者に比べて初任給が低くなります。
基本給で月20万円前後からスタートするケースが多く、数カ月間は研修期間となるため、充分に稼げるようになるには1年ほどかかるかもしれません。
異業種からの転職する場合は、それなりの収入減を覚悟しなければならないでしょう。
希望のサロンで働けない可能性がある
資格なし・未経験OKとしているネイルサロンは、数が限られるため、働いてみたいネイルサロンが該当するかどうかわかりません。
全国展開している大手のネイルサロンは、比較的研修制度が充実していますが、必ずしも希望通りにいかない可能性もあります。
資格なし・未経験でネイルサロンに就職したい人は、求人情報をまめにチェックする必要があるでしょう。
スキルを身につけるまでに時間がかかる
資格なしでネイルサロンに就職し、働きながらネイリストとして技術を身につけるのは、スクールなどに通うより時間がかかります。
なぜなら、ネイルサロンで研修を受けるのは営業時間外の数時間のみで、スクールのようにまとまった時間で集中的に学ぶことができないからです。
早くスキルを身につけたい人は、プライベートタイムを使って独学でスキルを学ぶなど、それなりの努力が必要となるでしょう。
トラブルを起こすリスクがある
資格なしのネイリストに多いのが、爪のトラブルの見落としです。
チップやジェルが浮いてきたときに起こりやすいグリーンネイル(カビの一種)や、皮膚疾患などを見落としてしまい、深刻なトラブルに発展することもあります。
ネイリスト本人はもちろんのこと、サロンの評価にもつながるので注意が必要です。
新規客獲得が難しい
資格なしのネイリストは、新規客の獲得に苦労する可能性が高いです。
なぜなら、同レベルの技術を持っているネイリストが複数いる場合、お客側は有資格者を選ぶのが自然だからです。
新規客獲得や指名は、インセンティブが加算されるケースが多いため、収入に直結します。
スキルがあるのに指名を稼げないのはもったいないので、一定の知識と技術を身につけたあとは資格取得にチャレンジしてみるのも良いかもしれません。
資格なしでネイルサロンに就職するメリット
資格なし・未経験でネイルサロンに就職するメリットは、以下の4つです。
勉強中も収入が発生する
資格なしでネイリストになるもっとも大きなメリットは、働きながらスキルを身につけられることです。
スクールに通ってネイルの勉強をする場合、当然ですが収入は0円で、授業料などの支出が発生します。
先にネイルサロンに就職すると、少なくはありますが一定の収入を得ることができ、さらに技術を身につけられる「一石二鳥」が実現します。
技術があれば資格は必須ではない
ネイリストとしての技術があれば、資格は必ずしも取得しなければならないものではありません。
なぜなら、ネイリストには免許も国家資格も必要ないからです。
独学でネイルの勉強をし、ネイルサロンを開業したり出張ネイルをしたり、SNSでネイルチップを販売しているネイリストも大勢います。
すでに、趣味としてある程度の技術を持っているなら、資格取得の優先度は低くても良いかもしれません。
基本のスキルとデザインセンスがあれば活躍できる
ネイリストの人気は、デザインセンスで決まるといっても過言ではありません。
完璧なケアやリペアも大事ですが、利用者の判断基準は、いかに素敵なネイルをほどこしてくれるかです。
資格なしでネイルサロンに就職する場合、スキルを身につけながらデザインの勉強をすることで、早く成長することができるでしょう。
ネイルデザインの画像や動画をチェックしたり、家族や友人に練習台になってもらったりして、デザインセンスを磨いていきましょう。
無料・社員価格で検定を受験できるサロンも!
ネイルサロンの中には、正規より安い受験料で技能検定試験を受けられるところもあります。
働きながら研修を受け、さらに低価格で資格取得にチャレンジできるなら、やってみない手はありません。
授業料を支払ってスクールに通って検定を受けるのに比べ、収入を得ながら資格を取得できるのは、資格なしから一人前のネイリストになる上で大きなメリットとなります。
資格なし・未経験のネイリストが目指すべき資格
資格なし・未経験のネイリストがまず取得しておきたい資格は、以下の2種類です。
JNECネイリスト技能検定(3級)
ネイリストの資格でもっとも認知度が高いのが、日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)の技能検定試験です。
3級から1級まであり、もっとも難易度が高い1級は、海外の国家資格レベルといわれています。
3級は基礎知識と基本のネイルケア、カラーリング、アート(1本のみ)がメインとなり、筆記と実技の試験がおこなわれます。
合格率は80%と高く、ネイルサロンの検収で知識と技術を身につければ、比較的簡単に取得できます。
JNAジェルネイル技能検定(初級)
ジェルネイルが普及している現在、ぜひ取得しておきたいのが日本ネイリスト協会(JNA)のジェルネイル技能検定です。
初級から上級までの3種類があり、初級はJNEC3級レベルと同等です。
ただし、ジェルネイル検定にはさらにジェルカラーリングとジェルアートの実技が追加されます。
今後、ジェルネイルは多くのネイルサロンで扱われるようになることが予想されるため、取得しておいて損はないでしょう。
資格なし・未経験からでも一流のネイリストを目指せる!
資格なし・未経験者でも、一流のネイリストを目指すことは可能です。
スクールに通って本格的に勉強をするのもひとつの手段ですが、お金も時間もかかるため、まず資格なしOKのネイルサロンに就職し、働きながらスキルを身につけるのがもっとも効率が良いかもしれません。
現在は、ネイルサロンの数が非常に多く人手不足のお店も増えているため、資格なし・未経験で正社員になるチャンスはあります!
研修制度が充実しているネイルサロンを探し、思い切って応募してみましょう。