美容師見習いの仕事内容には何がある?
美容師見習いをしながら免許を取得するのは大変?
このような疑問を持っていませんか?
この記事では、美容師見習いの仕事内容や期間、収入目安を詳しく解説しています。
最後まで読むことで、美容室で見習いとして働く際の自分の生活がシミュレーションできるでしょう。
美容師見習いをしながら最短で免許を取得する方法や、働きながら資格取得を目指すメリット・デメリットも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
※2024年4月時点の情報です。
※「見習い」は美容師免許を持たない人を指しています。
※仕事内容や給与の詳細はサロンによって異なります。
美容師見習いの仕事内容は施術(髪を触る)以外のすべて
結論からいうと、美容師見習いに許される仕事内容は、施術以外の全般です。
施術に関しては、たとえタオルドライだけだったとしても、美容師見習いにはできません。
なぜなら、美容室において利用客の髪に触れることができるのは美容師免許取得者だけであり、美容師見習いは美容師免許を持たない立場で働くスタッフだからです。
美容師見習いが美容学校や大学を卒業し、国家試験に合格し、免許交付の申請をおこなって美容師登録されてようやく、「見習い」ではなく「アシスタント」というポジションに上がります。
アシスタントになると施術に関わることができるようになり、仕事内容が格段に増えます。
美容師見習いのおもな仕事内容
美容師のおもな仕事内容を、7つに分けて紹介します。
1.レセプション業務(受付)全般
美容師見習いの仕事内容のひとつとして、レセプション業務があげられます。
レセプションには、以下のような業務があります。
・来客の出迎え
・荷物預かりと管理
・予約、担当者、メニューの確認
・会計、来客の見送り
・予約受付
・新規客対応
美容室によっては、顧客を担当する美容師がみずから対応することもあります。
しかし、お店が混んでいるときなどは美容師見習いが受付に立つケースが多いため、レセプション業務の内容は覚えておく必要があるでしょう。
2.接客全般
美容師見習いは施術はできませんが、接客全般は任せてもらえます。
来客への声掛けやドリンクサービス、施術ブースへの案内など、臨機応変に動くことが求められます。
メニューによっては数時間の施術を受ける顧客もいるため、暑さ寒さへの気配りや、希望の雑誌を聞くなどの配慮も必要です。
美容師免許を取得した後、そのままサロンで働いてもらいたいと思われるような接客を目指しましょう。
3.施術に使用する道具の準備
施術ブースの準備や、施術中に使用する道具を準備するのも美容師見習いの仕事のひとつです。
予約客の来店時間を把握し、施術道具が乗ったワゴンやケープ、スタイリストが座る椅子を準備します。
また、施術の最中にパーマ用のロットや薬剤などの準備を指示されることもあります。
4.スタイリスト・アシスタントのサポート
施術をすることはできない美容師見習いですが、施術中のスタイリストやアシスタントをサポートすることは許可されています。
施術者の隣についてパーマ用のロットやパーマ液を渡したり、カラーリングに使用するアルミを渡したりといったサポートがおもな内容となります。
5.店内清掃や後片付け
美容師見習いがこまめにやらなければならないのが、店内清掃と後片付けです。
美容室での施術は、切った後の髪の毛などのゴミがつねに出るため、施術中でもタイミングを見計らって掃除をしたり、シャンプー台をきれいにしたりといった作業が必要となります。
施術に使用した道具の洗浄も、美容師見習いの仕事内容のひとつです。
また、美容室によっては毎日大量に使用されるタオルの洗濯なども美容師見習いに任されます。
6.サロンHPやSNSの更新
美容室によりますが、サロンの公式HPやSNS、ポータルサイトの更新などを美容師見習いにやらせてくれることもあります。
店内のインテリアを撮影して載せたり、予約状況を更新したりするなど、集客に関わる大切な業務です。
スタイリストやアシスタントが多忙な業務の合間にネット管理をするのは大変なので、臨機応変に対応できる美容師見習いは重宝されるでしょう。
7.その他雑務
美容師見習いの仕事内容には、店舗運営にまつわる雑務も含まれます。
おもな業務は以下のとおりです。
・買い出し
・電話応対
・業者応対
・看板出し
・食器洗い
・サロンコスメやインテリアの整頓
なかには、業務とはいえないささいな雑用もありますが、積極的に関わることで上司からの評価が上がるでしょう。
美容師見習いの収入
美容師見習いの気になる平均収入と、給与形態を解説します。
美容師見習いの平均年収は150万~180万円
美容師見習いの平均年収は、150万~180万円です。
月収にすると12万5,000~15万円となり、自活をするには少々厳しい金額ということがわかります。
しかし、美容師見習いは基本的に美容学校に通いながら美容室勤めをする生活となるため、一般のアルバイトと比較すると、美容師見習いの収入が特別低いとはいえません。
時給扱いとなることが多い
美容師見習いの給与形態は、時給扱いとなるケースが大半です。
なぜなら、美容師免許を持たない見習いを正社員として雇用する美容室は少なく、たいていの場合はパート・アルバイト勤務となるからです。
収入は安定しませんが、学校のスケジュールに合わせて休みの希望を出しやすいというメリットもあります。
福利厚生は職場次第
パート・アルバイト扱いの美容師見習いでも、勤務時間と日数によっては各種保険などの福利厚生を受けることができます。
しかし、法外福利厚生(法律で定められていない福利厚生)に関しては、美容室次第となります。
サロンコスメや施術の割引や、交通費に関しては、勤め先の美容室に事前に確認しましょう。
美容師見習いの勤務日数や期間
美容師見習いの勤務日数や、期間について説明します。
仕事内容にかかわらず土日祝出勤は必須
美容室で働く場合、仕事内容やポジションに関わらず土日祝出勤は必須です。
絶対に休まなければならない事情があるときは別ですが、たとえば私用を優先して土日祝日に休みを希望するのは、勤め先からの印象が悪くなります。
美容室の営業時間帯によっては早番や遅番があり、シフト制が基本となるため、生活リズムは整いづらいかもしれません。
休みの希望は比較的通りやすい
美容師見習いは正社員ではなくパート・アルバイト扱いとなることが多いため、休みの希望は比較的通りやすい傾向にあります。
とくに、学校の行事やテストなどに合わせて休みを取りたい場合は、特別に考慮してもらえるケースも多いです。
勤め先にできるだけ迷惑をかけないよう、休みの希望はなるべく早めに申告しておくことが大切です。
期間は高校卒~美容師免許を取得するまで
美容師見習いとして働く期間は、美容師免許を取得するまでとなります。
国家試験に合格して美容師として登録された後は、見習いではなくアシスタントとなり、仕事内容も変わります。
雇用形態や収入も変わり、スタイリストを目指して働くことになります。
ほとんどの美容室では高校卒業後から働くことができますが、美容室によっては美容学校に在籍していることが条件となるケースもあるでしょう。
美容師見習いをしながら最短で美容師免許を取得する方法
美容師見習いをしながら美容師免許を取得する方法は、3つあります。最短の方法や、自分に合う方法を探してみましょう。
1.美容学校の昼間課程に通う
結論からいうと、美容師見習いをしながら最短で美容師免許を取得する方法は、通学制の美容学校の昼間課程に通うことです。
なぜなら、1日で多くのカリキュラムを消化できるため、昼間課程は最短2年で卒業することが可能だからです。
しかし、通学と美容師見習いを並行するには、夜遅くまで営業している美容室を選ぶ必要があります。
また、学校が休みの土日祝日に勤務することを考えると、肉体的に非常にハードなものとなってしまうでしょう。
2.美容学校の夜間課程に通う
美容師見習いをしながら美容師免許を取得する方法のひとつとして、美容学校の夜間課程に通うという手段もあります。
夜間課程は1日のカリキュラムが少なくなるため、卒業までに2年半~3年ほどかかるでしょう。
美容学校の夜間課程に通いながら美容室で働く場合、夕方で退勤させてもらえる美容室を選ぶ必要があります。
オフィス街にある美容室は顧客に会社員が多く、夕方から夜にかけて忙しくなるケースがあるため、美容師見習いと通学を並行するのは難しいかもしれません。
3.美容学校の通信課程を受講する
美容師見習いの仕事をメインにするなら、美容学校の通信課程を受講するのがおすすめです。
通信課程は、インターネットを利用して必要なカリキュラムを受講する他、定められた日数のスクーリングで単位を修得する形となります。
通信課程の場合は卒業するまでに3年ほどかかりますが、授業料が安く自分のペースで勉強できるところがメリットです。
美容師見習いをしながら資格取得を目指すメリット・デメリット
美容師見習いをしながら美容師免許取得を目指すメリットとデメリットを紹介します。
美容師見習いをしながら資格取得を目指すメリット
美容師見習いをしながら資格取得を目指すメリットは、以下の5つです。
・現場の仕事の流れが身につく
・免許を取得した後にすぐに仕事ができる
・現役スタイリストに指導してもらえる
・好きな仕事で一定の収入を得られる
・免許取得へのモチベーションを維持できる
美容師見習いをしながら資格取得のために勉強をするのは、いわば、仕事を先取りしているようなものです。
美容室での対応力が磨かれるため、晴れて美容師となった後も、スムーズに実務をこなすことができるでしょう。
見習いとして勤めた職場と美容師として就職する職場が変わっても、見習い経験はきっとプラスになるはずです。
また、目標としている美容師の仕事を間近で見られることも、資格取得に向けて大きなメリットとなります。
美容師見習いをしながら資格取得を目指すデメリット
美容師見習いをしながら資格取得を目指すデメリットは、以下の3つです。
・肉体的にハード
・現場の仕事に幻滅する可能性がある
・労働量が多く給与が安い
美容師見習いをしながら美容学校に通うのは、非常にハードです。
プライベートの時間がなくなるだけではなく、睡眠時間や休養のための時間を満足にとれなくなることもあるでしょう。
また、肉体的・精神的に疲れてしまい、美容師を目指すことをあきらめる人もいるかもしれません。
厳しい労働のわりに低賃金であることも、美容師見習いのデメリットのひとつです。
美容師見習いが美容師免許を取得した後の仕事内容の変化
美容師見習いが美容師免許を取得した後は、「アシスタント」というポジションに上がります。仕事内容の変化を、3つに分けて紹介します。
1.シャンプーやトリートメントができる
美容師見習いからアシスタントになると、仕事内容にシャンプーやトリートメントが加わります。
シャンプー・トリートメントは、アシスタントが1日のうちに手がける業務の中でも回数が多く、アシスタントの代表的な仕事といってもよいでしょう。
施術前のシャンプーだけではなく、パーマ液やカラー剤を落とす際もアシスタントに任されることが多いです。
シャンプー後のタオルドライや、簡単にドライヤーをかけるといった作業も含まれます。
2.簡単なマッサージやヘッドスパができる
美容師アシスタントは、シャンプーの際の簡単なマッサージやヘッドスパを任せてもらえることもあります。
最近では、リラクゼーション人気にともなってヘッドスパをメニューに取り入れる美容室も増えています。
スムーズな作業で顧客に満足してもらうことができれば、上司からの評価も上がるでしょう。
また、美容室によってはマッサージやヘッドスパにも指名制をもうけていることがあるため、スキルを上げることでインセンティブにも期待ができます。
3.スタイリストの指示でパーマやカラー施術に加わることができる
美容師見習いからアシスタントになると、パーマやカラー施術の際の用具出しだけではなく、実際に施術に関わることができるようになります。
作業としては、ロットを巻いたり薬剤を塗布したりといった内容ですが、実際に髪に触れることができるため、スタイリストを目指す上で大切な実務経験となります。
スタイリストの指示にただ従うだけではなく、どのような施術でどのような仕上がりになるかを確かめ、ひとつずつ吸収していくのが大事です。
美容師見習いの仕事は現場感覚が身につく!働きながら資格取得を目指そう
美容師見習いの仕事内容は、簡単にいうと、美容室における施術以外のすべてです。
マニュアルで決まっていることは少なく、自分の判断で臨機応変に動くことがほとんどとなります。
基本的にはサービス業における接客がメインなので、人と関わるのが好きな人やコミュニケーション能力に自信がある人なら、すぐに溶け込めるでしょう。
美容師免許を取得する前に実務経験をつけておくと、免許取得後の就職に有利になります。
フルタイムで仕事と勉強を並行するのは難しいため、夜間の通学課程や通信課程がある美容学校で、無理なくスキルを身につけていきましょう。