フリーランス美容師の月収はどのくらい?
美容師がフリーランスで働くときの報酬の仕組みは?
フリーランスと雇用ならどっちが多く稼げる?
このような疑問を持っていませんか?
この記事では、フリーランス美容師の平均月収について詳しく紹介しています。
最後まで読むことで、フリーランスに転身したときに自分がどのくらい稼げるかがわかるでしょう。
フリーランス美容師の収入に関する注意点も参考にし、稼げる美容師を目指しましょう!
※2024年4月の情報です。
※美容室によって報酬の仕組みが異なる場合があります。
フリーランス美容師とは?2つの働き方を簡単解説
フリーランス美容師とは、企業(美容室)に雇用されずに働く美容師のことをいいます。おもな働き方を、2つに分けて簡単に紹介します。
業務委託契約を結ぶ働き方
フリーランス美容師が、美容室と業務委託契約を結んで働く場合、美容師は契約先の美容室で働き、担当したお客の売上が報酬の基準となります。
フリーランス美容師の仕事は施術のみで、それ以外の業務を求められることはありません。
美容室勤務で多くみられる、早出や残業とも無縁です。
美容室を訪れるお客に対する施術が基本となるため、自分で集客をする必要がないというメリットもあります。
面貸しを利用する働き方
フリーランス美容師が、美容室の面貸しを利用して働く場合、美容師は契約先の美容室の一部スペースを借りて働き、売上から使用料や手数料を支払う形になります。
自分の顧客のみを相手にするため、美容室のお客に対して接客や施術をする必要はありません。
あくまでも場所を借りて仕事をするスタイルのため、集客や売上管理などはすべて自分でおこなうことになります。
【業務委託】フリーランス美容師の月収目安
フリーランス美容師が業務委託で働く場合の月収について、以下の4つに分けて解説します。
業務委託で働くフリーランス美容師の報酬の仕組み
業務委託で働くフリーランス美容師の月収は、美容師個人の1カ月の売上の約半分を美容室から分配される形となります。
1カ月100万円の売上があるフリーランス美容師の報酬は、単純計算して50万円です。
なぜ約半分になるかというと、美容室側の取り分として水道光熱費や材料費その他諸々の手数料を差し引く必要があるからです。
業務委託の場合、集客は美容室任せで新規客を担当させてもらえることもあるので、コストを考えると決して悪い数字ではありません。
指名をもらって施術を担当した場合は、報酬が売り上げの70%~になるケースもあります。
業務委託で働くフリーランス美容師の月収例
業務委託で働くフリーランス美容師の月収を、以下の条件でシミュレーションしてみましょう。
※売上100万円
※分配率50%
※経費なし
〇 売上100万円-手数料50万円=報酬として50万円
〇 各種保険、税金の支払いが1カ月で約12万9,000円
〇 月収(手取り)は約37万1,000円
フリーランス美容師は、契約先の福利厚生を受けることができないため、保険料や税金を自分で納めなければなりません。
各種保険、税金を差し引いた額が月収(手取り)となり、約37万1,000円という結果が出ました。
分配率は美容室によって異なるため、できるだけ多く還元してくれる美容室と契約を結ぶのもひとつの手段です。
業務委託と雇用の月収目安を比較
業務委託で働くフリーランス美容師の月収と、正社員美容師の給与を比較してみましょう。
正社員美容師の基本給を1カ月25万円とし、インセンティブを売上の20%とした場合、月収は以下のとおりです。
〇 基本給25万円+インセンティブ20万円=1カ月の総支給額45万円
〇 各種保険、税金の支払いが1カ月で約10万1,000円
〇 月収(手取り)は約34万9,000円
売上100万円のフリーランス美容師が受け取れる報酬を1カ月50万円として、そこから各種保険・税金を差し引くと月収(手取り)は約37万円です。
美容室の雇用形態や報酬の詳細にもよりますが、同じ売上を持つ美容師を比較すると、フリーランスのほうが月収は高くなることがわかります。
業務委託契約を結ぶ前の注意点
業務委託のフリーランス美容師がより多く稼ぐには、分配率が重要になります。
仮に売上の60%の分配があった場合、売上100万から受け取れる報酬は60万円です。
ただし、分配率が高くても別途手数料や材料費を請求されるケースもあるので、契約の際には細部まで確認する必要があります。
また、指名を受けて施術をする際の分配率もチェックしておいたほうがよいでしょう。
【面貸し】フリーランス美容師の月収目安
フリーランス美容師が面貸しを利用して働く場合の月収について、以下の4つに分けて解説します。
面貸しを利用して働くフリーランス美容師の報酬の仕組み
面貸しで働くフリーランス美容師の報酬は、美容師個人の売上から、契約している美容室へ手数料(場所代、水道光熱費)と材料費を支払う形となります。
手数料またはロイヤリティと呼ばれる費用は、美容室によって20~30%です。
経費は、売上の10%を目安にしておくとよいでしょう。
面貸しを利用して働くフリーランス美容師の月収例
面貸しで働くフリーランス美容師の月収を、以下の条件でシミュレーションしてみましょう。
※売上100万円
※手数料30%
※経費10%
〇 売上100万円-(手数料30万円+経費10万円)=収入60万円
〇 各種保険、税金の支払い額が1カ月で16万5,420円
〇 月収(手取り)は43万4,580円
面貸しで働く場合、美容師は契約先の美容室の一角を借りているだけに過ぎないため、福利厚生を受けることはできません。
また、面貸しで働く場合は自分で集客をおこなわなければならないため、広告宣伝費などの出費が生じるでしょう。
面貸しと雇用の月収目安を比較
面貸しで働くフリーランス美容師の月収目安と、正社員美容師の平均月収を比べてみると、同じ売上があったと仮定して、フリーランス美容師のほうが月収が約85,000円高くなります。
また、面貸しで働く場合は顧客の予約がない日に出勤をする必要がないため、別エリアの美容室と契約を交わしたり副業をしたりといったことも可能です。
面貸し契約を結ぶ前の注意点
面貸し契約を結ぶ際のもっとも大きな注意点は、契約先美容室に支払う手数料と経費のパーセンテージです。
仮に手数料20%+経費15%とした場合、売上100万円から得られる収入は65万円です。
逆に手数料が30%以上だったり経費のパーセンテージが決まっていなかったりすると、売上よりもかなり低い額の月収になってしまうので注意しましょう。
また、集客のしやすい立地かどうかや、店構えなども重要なポイントとなります。
フリーランスになって月収が増える美容師の特徴
フリーランス美容師になって成功する人の例を、3つに分けて解説します。自分が当てはまるかどうか、チェックしてみましょう。
顧客をたくさん持っている
正社員美容師がフリーランスに転身した後、月収が増えるかどうかは顧客の数にかかっています。
ただし、正社員として働いていた美容師の顧客が、店を変えた後に全員ついてきてくれるとは限りません。
来店見込み客は、顧客全体の6~7割と考えておいたほうがよいでしょう。
正社員として雇用されている間に、いかに多くの顧客をつかむかが、フリーランスの成功を左右します。
集客手段が確立している
月収が多いフリーランス美容師の特徴として、集客手段が確立されているということがあげられます。
TwitterやInstagramのフォロワー数や個人ブログのユーザー数などは、フリーランスになった後の集客に大きく影響します。
また、顧客の伝手で広告宣伝を安く請け負ってくれる企業があるなど、人脈が広い美容師もフリーランスで成功する可能性が高いでしょう。
営業力がすぐれている
フリーランス美容師で月収を増やせる人には、営業スキルが高いという共通点があります。
営業力は、顧客を増やしていくにあたって非常に大切なスキルです。
とくに業務委託で働く場合、新規客を1カ月に3人担当しそのうち1人が次回指名してくれれば、月収が増えることになります。
それを繰り返すことで、少しずつ売上が増え、月収(手取り)50万円以上も目指せるようになるでしょう。
フリーランス美容師の収入に関する注意点
美容師がフリーランスで働く際の収入に関する注意点を、3つに分けて解説します。
1.月収に変動がある
フリーランス美容師の月収は、月ごとの売上によって変動します。
良いときは月収50万円以上でも、悪いときは月収20万円以下ということもあるかもしれません。
収入が安定しないのは、フリーランスで働くうえでの大きなデメリットとなります。
月収が少ない月でも生活できる分の貯蓄や、悪いときでもそれなりの来店を見込める顧客数が、成功のカギとなるでしょう。
2.福利厚生が受けられない
フリーランス美容師は、契約先美容室の福利厚生の対象に入りません。
健康保険をはじめとした各種保険はすべて全額実費となり、雇用保険に加入することもできなくなります。
また、交通費や賞与といった、正社員なら当たり前に支給されていた手当もなくなります。
3.確定申告が必要
美容師に限らず、フリーランス(個人事業主)として働く人は毎年3月に確定申告をする必要があります。
確定申告をスムーズにおこなうためには、月々の売上、経費、月収などの収支管理を続ける必要があり、人によっては負担に感じることもあるでしょう。
フリーランスに転身したら、早い段階で会計ソフトやアプリを導入するなど、確定申告の準備をしておくことが大事です。
フリーランス美容師になって月収を増やす前に実績を積もう
雇われ美容師からフリーランス美容師になったとき、月収を増やせるかどうかは美容師個人のスキルと実績にかかっています。
どれだけ多くの顧客を持っているか、そしてそのうちの何割が新しい職場についてきてくれるかどうかが勝負です。
フリーランス美容師は仕事の保証がなく、月収も安定しません。
いずれフリーランス美容師として成功を目指している人は、まずはスキルと実績を伸ばせる美容室で顧客を増やすところから始めるのがおすすめです。