ネイリストの給料手取り額はどのくらい？
ネイリストの平均収入って高い？低い？
ネイリストのインセンティブや手当っていくらもらえるの？

ネイリストの仕事にあこがれを持っていても、実際にもらえるお給料がどのくらいなのか、気になっている人も多いですよね。
この記事では、ネイリストの平均収入と手取り額を詳しく解説しています。
ネイリストの給与形態やインセンティブ・各種手当についても紹介しているので、自分がネイリストになった場合の収入シミュレーションとして、ぜひ役立ててくださいね。

※2024年3月の情報です。
※ネイルサロンによって詳細は異なります。

ネイリストの平均収入は、年収にして約300万円といわれています。全国平均や地域差について詳しく紹介します。

結論からいうと、ネイリストの平均収入（年収約300万円）は決して高くありません。
国税庁による「民間給与実態統計調査（令和3年分）」では、日本の給与所得者の平均所得は、女性全体で302万円です。
ネイリストの平均収入は、女性全体の平均と同等かやや低いことがわかります。
ネイリストの給与収入が低い理由として、比較的簡単に技術が身につくことや、経験や人気によって収入の幅が広いことが挙げられます。
ただし、ネイリストに多い20代女性の平均収入は年額248万円です。その点を考慮すると、ネイリストの給料が特別低いとはいえないでしょう。

ネイリストをはじめとした美容関連の職種は、地域によって最低額が大きく異なります。
ネイリストの初任給を、地域別でまとめると以下のようになります。

このように、関東エリアでも東京とその周辺県は最低25万円からスタートできる可能性がありますが、他3県は22万円どまりです。
他の地域も同じく、初任給の額が大きく異なり昇給にも影響するため、全国平均で見ると、年収約300万円と低い数字になっています。

基本給だけを見ると、平均収入が低いネイリストの仕事ですが、美容関連の職種は売り上げに応じてインセンティブがつくところが大きな魅力です。
ネイリストも例外ではなく、指名料や物販などによってお給料＋インセンティブがつくのが一般的。
また、高卒で就職する人も多いネイル業界では、経験次第では早い段階での昇給も期待できるため、20代後半～30代になると同年代の女性より年収が高くなることもあります。

ネイリストの給料手取り額は、月給にして平均20万円です。詳しく見ていきましょう。

年収300万円／月収25万円で計算した場合、ネイリストの給料手取り額は月19万8,000円になります。
内訳は、以下のとおりです。

総支給額25万円から上記を差し引くと、手取りは197,798円です。
想像以上に低いと感じるかもしれませんが、正社員は社会保障が手厚いところが大きなメリットです。
また、福利厚生などを考慮すると手取りよりも手に入る額が大きくなる可能性もあるでしょう。

ネイリストの基本の給料にインセンティブや各種手当を含めると、手取り25万～30万円ほどになることもあります。
基本給＋αは就職するネイルサロンによって異なるため、応募時に必ず確認しましょう。
サロンによって差が出やすいのは、インセンティブ率や残業代などです。
売り上げの何％が還元されるのか、また時間外手当の有無によって手取りも大きく異なるので注意が必要です。

ネイリストの平均給与手取り額を、経験別で紹介します。

研修中ネイリストの給料手取り額は、12万～14万円ほどです。
入社後の研修期間は、正規雇用ではなく試用期間とされ、給料は時給となるケースが一般的です。月給にすると、正規の7～8割となることが多いでしょう。
仮に月収18万円とした場合、所得税や保険で月々34,991円差し引かれます。
手取り収入は、年174万112円／月14万5,009円です。

研修期間を終え、正規契約となったネイリストの給料手取り額は、約16万円です。
研修を終えても未経験者であることには変わりないため、初任給は平均20万円ほどが一般的です。この頃はインセンティブにも期待ができません。
月20万円の給料とした場合、所得税や保険で月々39,529円差し引かれます。
手取り収入は、年192万5,180円／月16万471円です。

経験ありのネイリストの給料手取り額は、約20万円です。
ネイルスクールを卒業した人、ネイリストの資格（技能検定の級）を持っている人、他社からの転職組が、経験者に該当します。
経験者は、実績や顧客の数、資格の種類などによってインセンティブや各種手当が大きく変動するため、給料手取りにも差がつきます。
給料＋インセンティブで月収25万円とした場合の手取り収入は、年237万3,584円／月19万7,798円です。
給料＋インセンティブで月収30万円になると、手取り収入は年285万620円／月23万7,551円となります。

店長クラスになると、ネイリストの給料手取りは一気に上がります。役職がつかなくても、顧客を大勢持っている人気のネイリストになれれば、同等の給料に期待ができるでしょう。
仮に、給料＋インセンティブ＋手当で月収35万円とした場合、手取り収入は年329万224円／月27万4,185円です。
給料＋インセンティブ＋手当で月収40万円になると、手取り収入は年373万1,194円／月31万932円となります。

ネイリストの給料の仕組みを、3つに分けて簡単に説明します。

ネイリストの給与形態は、以下の4つに分けられます。

ネイルサロンの給与形態で、もっとも多いのは「固定給＋歩合給」です。
また、ネイルサロンや美容室は、フリーランスが店の一画を借りて営業するケースも増えてきており、予約があるときのみ出勤するスタイルの業務委託契約も見られます。
この場合、サロンとネイリストは雇用関係になく、売り上げに応じた「報酬」という形でお金が支払われます。
フリーランスのネイリストは報酬を全額受け取り、個人で確定申告をして税金等を支払った後の金額が、手取りとなります。

ネイリストの給料に加算される各種手当は、おもに以下の3種です。

上記は、売り上げ額に関係なく経歴やスキル、ポジションによって支払われる手当です。
金額はサロンによって異なりますが、大手ほど手厚く支給されるのが特徴といえます。
上記の他、交通費や時間外手当が支給されることも。さらに、在籍店や姉妹店での施術を無料or社員価格で受けられるサロンも多いようです。

ネイリストの給料に加算されるインセンティブの種類は、おもに以下の3種です。

インセンティブの種類やパーセンテージは、ネイルサロンによって異なります。
各種手当と同じく、大手のほうが手厚いのが特徴です。
ネイリストにとって、インセンティブは月々の収入を大きく左右する重要なものです。
未経験からの入社であっても、長く続けていくことを視野に入れ、種類や金額は必ず確認しておきましょう。

ネイリストは、雇用と独立のどちらが多く稼げるのでしょうか。平均収入をもとにシミュレーションしてみました。

サロン勤務のネイリストの給料手取り額は、15万～30万円ほどです。
資格なし・未経験からスタートする場合、時給計算で月々の手取りは15万円ほど。
しかし、サロン勤務の前にネイルスクールなどに通う選択をすると、収入0円で入学金や授業料が発生するため、お給料が少なくても研修制度完備のネイルサロンに通うほうがおすすめです。
一人前のネイリストになって実績をつくり、順調に昇進していけば20代後半で店長クラスも可能なのがネイル業界です。
インセンティブや手当を含めると、1カ月の手取り額は30万円ほどになるでしょう。

サロン勤務で稼げるようになると、独立開業を考えるネイリストも少なくありません。
個人事業主になると、売り上げから経費を差し引いたすべてが自分の収入になります。
在籍サロンで人気のあるネイリストに成長し、顧客を多く持つことができれば、月額50万円以上の売り上げも可能でしょう。
しかし、個人事業主は正社員とは納税額が異なるので注意が必要です。
仮に年収650万円とした場合、税金と保険料などで差し引かれるのは年額172万9,580円。月々の手取り収入は、39万7,535円となります。
また、個人事業主はいつ無職になるかわからないリスクがあるため、日々の暮らしに問題がなくても、危機感を持って経営を続ける必要があります。

ネイリストの給料手取り額は、実績によって大きな差が出るのが特徴です。
インセンティブだけではなく、資格手当や技能手当がつくサロンも多いため、基本給そのものが違ってくることもあるでしょう。
ネイリストの収入は、お給料が月20万円で手取り約16万円、月25万円で手取り約20万円と決して高くはありません。
しかし、スタートする年齢が若く昇進しやすいため、着実に実績を上げることで同年代より高い収入を手にすることも可能です。
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