フリーランスのネイリストって儲かる?
ネイリストがフリーランスで働くメリットやデメリットは?
フリーランスネイリストの働き方にはどんな種類がある?
このような疑問を持っていませんか?
この記事では、ネイリストがフリーランスで働くメリットデメリットをはじめ、収入事情や働き方についてくわしく解説しています。
独立に必要な準備についても紹介しているので、フリーランス転身を検討しているネイリストは、ぜひ参考にしてください。
※2024年5月時点の情報です。
ネイリストがフリーランスになる5つのメリット
ネイリストがフリーランスで働くメリットを、5つに分けて解説します。
収入アップに期待ができる
フリーランスのネイリストは、サロンに雇用されているネイリストに比べて収入が増える傾向にあります。
ネイルサロンの平均客単価6,000円で1日5人の施術を、1カ月25日勤務として以下のように月収入を比較しました。
固定給20万円+インセンティブ10%のサロンに在籍しているネイリスト
20万+600×5×25=1カ月27万5,000円
歩合50%の業務委託で働くフリーランスネイリスト
6,000×50%×5×25=1カ月37万5,000円
自宅開業でコスト(事業支出)が1カ月30万円のフリーランスネイリスト
6,000×5×25‐30万=45万円
このように、同じ料金設定で同じ数の施術をこなしていても、雇用で働くネイリストとフリーランスネイリストは収入が異なります。
顧客を多く持ちながらも、昇給が頭打ちでなかなか稼げないというネイリストにとって、フリーランス転身は収入面で大きな魅力があります。
ライフスタイルに合わせて働ける
ネイリストがフリーランスで働くメリットのひとつは、ライフスタイルに合わせた勤務ができるという点です。
フリーランスのネイリストには、決められた出勤時間や退勤時間がありません。
顧客の予約が入ったときにだけサロンに出向いたり、出張したりして施術をおこなうことができます。
時間を有効に使えるだけではなく、Wワークも可能です。
個性やこだわりを自由に発揮できる
フリーランスのネイリストは、自分の個性やセンス、こだわりを自由に発揮できるというメリットがあります。
サロンコンセプトにしたがう必要があったり、定型のメニュー以外の施術ができなかったりといったストレスがなく、すべて自分の自由に決めることができます。
アレンジやオーダーも思いのままなので、仕事にやりがいを持って向き合えるでしょう。
来客ひとりひとりに寄り添った接客ができる
ネイリストがフリーランスで働くことのメリットに、来客ひとりひとりに寄り添った接客と施術ができるという点があげられます。
チェーン展開している大手ネイルサロンや、規模の大きい人気ネイルサロンは、流れ作業のような施術になりがちです。
来客の好みやこだわりを把握することが難しかったり、もっときちんと向き合いたかったと後悔したりすることもあるでしょう。
フリーランスのネイリストは予約管理も自分でおこなうので、ひとりひとりにしっかり時間を割いてサービスを提供することが可能です。
人間関係にわずらわされることがない
ネイリストに限らず、フリーランスで働くことの大きなメリットは、人間関係のわずらわしさから解放されることです。
気の進まない食事会や飲み会、休憩時間のウワサ話などが一切なくなり、ストレスをためずに仕事だけに集中することができるでしょう。
ネイルサロンは、スタッフも来客も女性のみという環境になることが多いので、同性同士の人間関係に疲れている人はとくに、フリーランスが向いているかもしれません。
ネイリストがフリーランスになる4つのデメリット
ネイリストがフリーランスで働くデメリットを、4つに分けて解説します。
収入が安定しない
フリーランスネイリストの大きなデメリットは、収入が安定しないという点です。
なぜなら、フリーランスのネイリストには固定給がなく、売り上げに応じて収入が決まるからです。
予約が入らない月は収入が減り、生活が苦しくなってしまうこともあるでしょう。
ある程度の変動を予測し、ネイルの需要が増える夏や、ハロウィンやクリスマスといったイベント時期にしっかり稼ぐようにしなければなりません。
集客や経理事務に時間をとられる
施術以外の、集客や経理事務に時間をとられてしまうことも、フリーランスネイリストのデメリットです。
フリーランス=個人事業主は、経営にまつわる作業をすべて自分でこなさなければなりません。
ネイル施術以外に必要な業務は、おもに以下のとおりです。
・宣伝のための広告作成やSNS発信
・予約管理
・収支の計算
・確定申告や納税
ひとりの技術者としてネイルサロンに勤めるだけなら、上記のような業務はサロン任せにできます。
細々とした作業を後回しにせず、1週間に1回などスケジュールを決めて事務仕事を片付けるのがおすすめです。
初期費用がかかる
働き方にもよりますが、ネイリストがフリーランスに転身するときには、初期費用がかかります。
自前のネイルポリッシュ、ジェル、ラインストーン、アクリル絵の具などの消耗品の他、UVライトや来客が手を置くためのアームなどが必要です。
また、シェアサロンや自宅サロンで独立する際にはテーブルとチェアなどの家具代、店舗を借りて独立する際には契約金もかかります。
どのような形でフリーランスになるのか、事前にしっかり計画を立てて資金を準備しなければなりません。
急に仕事を失うリスクがある
フリーランスネイリストの最大のデメリットは、急に仕事を失うリスクがあることです。
売り上げが伸びずに「倒産」してしまったり、契約先の都合で仕事ができなくなったりする可能性は、決してゼロではありません。
景気や世の中の動きに左右されることもあります。
フリーランス転身を考えているネイリストは、万が一の事態にそなえて生活費をプールしておく必要があるでしょう。
フリーランスネイリストの働き方
フリーランスに転身するといっても、サロン開業にこだわることはありません。フリーランスネイリストの5つの働き方を紹介します。
業務委託のネイリストとして働く
フリーランスネイリストの働き方のひとつに、業務委託があります。
業務委託とは、サロンや企業側がネイリストの技術と引き換えに報酬を支払う形で、雇用ではなく、事業主同士の「契約」となります。
サロンスタッフと同じように出勤し、契約内容によっては新規客の施術を頼まれることもあります。
また、固定給はなく完全歩合制が業務委託の特徴です。分配率の平均は、売り上げの40~60%となります。
面貸しを利用して働く
フリーランスネイリストの働き方のひとつに、面貸しを利用する方法があります。
面貸しとは、ネイルサロンやエステサロンが施術スペースを貸し出し、ネイリストが売り上げの中から使用料を支払うという形で結ばれる契約です。
業務委託とは異なり、顧客だけを担当できるのが面貸しの特徴。
そのため、集客を自分でおこなう必要があります。
ネイリスト仲間とシェアサロンをレンタルする
フリーランスネイリストの働き方のひとつに、シェアサロンをレンタルする方法があります。
シェアサロンとは、空き店舗を複数人で借りてそれぞれが独自で営業をおこなうやり方です。
フリーランスになりたいネイリストやエステティシャン、セラピストなど美容業界に仲間がいる人は、声をかけてみるのも良いかもしれません。
店舗を借りて開業するよりも初期費用を抑えることができ、家賃や水道光熱費などを節約できるところがメリットです。
出張専門のネイリストになる
フリーランスネイリストの働き方のひとつに、出張専門で営業する方法があります。
施術に必要な道具を持ち歩けるネイリストならではの、働き方といえるでしょう。
訪問先の例は、以下のとおりです。
・ブライダル施設
・エステサロン
・美容室
・ホテルやスパ
・介護施設
訪問型の注意点は、つねに仕事があるとは限らないということです。
サロン在籍時代より収入を増やしたい場合は、複数の施設と契約をする必要があります。
自宅サロンを開く
フリーランスネイリストの働き方のひとつに、自宅サロンでの開業があります。
テーブル・チェア・施術道具があれば開業できるのが、ネイルサロンの大きなメリット。
自宅の一部屋で開業できるため、充分な顧客を持っているネイリストは、検討してみても良いかもしれません。
また、まずは業務委託などでフリーランスとして働くことに慣れ、最終的な目標を開業にするのもおすすめです。
フリーランスのネイリストが収入を増やす方法
ネイリストがフリーランスに転身し、サロン在籍時代よりも稼ぐコツを3つに分けて解説します。
客単価を安くしすぎない
フリーランスのネイリストが収入を増やすには、客単価を安くしすぎないことが大切です。
ネイリストの1日の平均施術数は、およそ5~6件。
客単価が5,000円だと売り上げは1日25,000~30,000円ですが、単価が7,000円だと売り上げが1日35,000~42,000円になります。
低価格でスタートすると、売り上げが思うように伸びずに値上げをしたときに客離れが起こる可能性が高いです。
メニューやスキルに見合った料金設定で、なおかつ収入増が見込めるラインを考えましょう。
顧客に合わせた営業時間で働く
フリーランスネイリストが収入を増やすには、顧客に合わせた営業時間で効率よく働くことが大切です。
いつでも施術に入れるようにスタンバイしていても、待機中は売り上げが発生しません。
フリーランスのネイリストは、平日の日中や週末はAサロンで営業し、平日の夕方から夜はBサロンで営業するといった働き方ができます。
顧客が通いやすい時間と場所を考え、営業するサロンを上手に組み合わせてみましょう。
ネイルサロンを開業する際は、出張で働ける施設との契約を視野に入れても良いかもしれません。
仕事上の出費は経費計上する
フリーランスネイリストが収入を増やすには、仕事上の出費を経費計上するのが鉄則です。
雇用されているネイリストとは異なり、支出を経費にできるのがフリーランスの強みです。
施術に必要な道具や消耗品の購入費はもちろんのこと、交通費、昼食費、衣服代など、少しでも仕事に関係する出費は経費に含めましょう。
自宅でサロンを開業する場合は、電気代や水道光熱費も「家事按分」という方法で経費にすることができます。
ネイリストがフリーランスになるための準備
ネイリストがフリーランスになるための準備を、5つのステップに分けて解説します。
独立のための資金を貯める
フリーランス転身を検討しているネイリストは、まず独立資金を貯めましょう。
すぐに開業の予定がなくても、施術用の道具一式や消耗品を購入したり名刺を作ったりと、まとまったお金が必要になります。
また、フリーランスになってしばらくは収入が減ることを想定しておくのも大事です。
最低でも半年、少なくとも2~3カ月分の生活費はキープしておきましょう。
経営ノウハウを身につける
充分なスキルと実績があるネイリストでも、経営ノウハウがなければフリーランスで成功できません。
働き方、顧客に合うサロン立地、営業時間、メニュー展開、料金設定などは、経営に関する知識があってはじめて判断することができます。
サロンスタッフとして働いている間に、リーダーや店長などの管理職を経験したり、マネジメント業務の勉強をしたりして、経営ノウハウを身につけておくのがおすすめです。
集客手段を確立する
フリーランスになりたいネイリストは、独立後の集客手段を確立することが大事です。
サロン在籍時代の指名客が、フリーランスになった後もついてきてくれるとは限りません。
サロンの立地や値段、雰囲気が好きで通っている人は、指名しているネイリストが辞めた後もサロンを変えずに通い続ける可能性が高いです。
指名客への挨拶は大切ですが、フリーランス後の見込み客には数えず、新規集客の方法を決めておきましょう。
開業届と青色申告承認申請書を提出する
ネイリストがフリーランスに転身する際に欠かせないのが、開業届と青色申告承認申請書です。
開業届を出さなくてもフリーランスとして仕事はできますが、各種保険や税金は納めなければなりません。
確定申告の際、最大65万円の控除を受けられる青色申告をするためには、個人事業主の開業届が必要なのです。
開業届と青色申告承認申請書は国税庁のHPからダウンロードすることができるので、必要書類と合わせて、居住地管轄の税務署に提出しましょう。
働く場所を決める
フリーランスのネイリストとして成功するためには、働く場所のチョイスが重要なポイントになります。
業務委託や面貸しの契約ができるネイルサロン、シェアサロンなど、フリーランスにはさまざまな働き方がありますが、自分と自分の顧客に合う形で営業をするのが成功の秘訣です。
長期的に安定して営業していける場所が見つかるまで、独立を焦らずにじっくり準備をしましょう。
まとめ
ネイリストがフリーランスになると、収入アップや仕事へのやりがいなど、さまざまなメリットがあります。
とくに、センスやこだわりを最大限に発揮できる点は、ネイリストにとって大きな魅力となるでしょう。
一方、収入が安定しなかったり仕事が途切れたりするリスクもあるため、フリーランスに転身する前には入念な準備が必要です。
フリーランスを検討しているネイリストは、もっともリスクが少ない「業務委託」から始めるのが良いかもしれませんね!