美容所開設届出書
マツエクサロンを経営するアイリストは、保健所で美容所登録をしなければなりません。
これは、首から上のパーツに施術をする有資格者が必ずしなければならない工程です。
おもな手順は、以下のとおりです。
1.管轄の保健所に美容所開設届出書や必要書類を提出する
2.書類審査及び手数料支払い
3.保健所職員による現場検査
4.美容所確認済証の交付
審査基準を満たす条件が細かく定められているため、事前に確認して店舗を整えておかなければなりません。
美容所登録は、サロン開業の1週間~10日前には済ませておきましょう。
※施設所有(管理)者賠償責任保険の加入も大事
アイリストがおこなうアイラッシュ施術は、まつ毛の生え際ぎりぎりに薬剤を塗布するなど、トラブルリスクが高い傾向にあります。
そのため、独立開業するアイリストには、賠償責任保険の加入がおすすめです。
絶対必要なものではありませんが、リスクマネジメントの一環として、備えておいたほうが良いでしょう。
その他、従業員を雇う場合は労災保険だけではなく従業員災害補償などの加入も検討しましょう。
2.充分な資金
アイリストが独立するための開業資金は、充分すぎるほどの額を用意しておくのがおすすめです。
なぜなら、サロン開業は決して計画通りにいかず予想外の出費がかさむことが多いからです。
資金が底をつき、焦りが生まれて中途半端な状態でサロンをオープンすると、その後もうまくいきません。
ぎりぎりの開業資金で赤字になってしまったり、開業後の赤字で生活が苦しくなったりしないよう、準備からオープン後半年間程度の生活費は確保しておきましょう。
3.マツエクサロンを開業できる物件
マツエクサロンをの店舗は、保健所による美容所登録の基準を満たした場所にしなければなりません。
これは、自宅開業であっても同じです。
おもな基準は、以下のとおりです。
・床面積13平方メートル以上の施術スペース
・水がしみ込まない壁と床
・100ルクス以上の照明
・換気設備
・ウェイティングスペースの確保
・作業用の水道設備
・施術道具の収納スペース
・消毒の設備
基準を満たした店舗でなければ、審査に通らない可能性もあります。
保健所によって基準は多少異なるので、店舗を決める前に管轄の保健所に必ず確認してください。
4.備品と消耗品
マツエクサロンに必要な備品や消耗品は、美容室やエステサロンに比べてコンパクトにまとめられるところがメリットです。
おもな備品と消耗品は、以下のとおりです。
・ベッドもしくはリクライニングチェアと枕
・作業用チェア
・照明器具
・キャスター付きワゴン
・リネン類
・ピンセット等の施術道具
・エクステ、薬剤、ロット等の消耗品
大型の備品は、買い替える必要がないよう頑丈なものを用意しましょう。
施術に使う道具やリネン類など、顧客に直に触れるものにはお金をかけ、インテリアや雑貨は安く済ませるといった節約も大切です。
5.スキルと実績が豊富にあるスタッフ
アイリストが独立開業するためには、アイラッシュ施術のスキルが高く実績も充分にあるスタッフが必要です。
とくに、来店を見込める顧客を持っているスタッフがいれば、新規集客にも期待ができるでしょう。
自宅の1室を改装したプライベートサロンを開業する場合、当面はオーナーアイリストひとりで問題ありません。
しかし、アイラッシュは低価格・短時間で完了する施術も多いため、集客ができるのであればスタッフふたり以上で回転数を上げるほうが売り上げが増える可能性が高いです。